
リスティング広告を運用していて、「無駄なクリックが多い気がする」「狙ったはずの検索に広告が出ていない」と感じたことはないでしょうか。その原因の多くは、広告文でも入札でもなく、キーワードのマッチタイプの設定にあります。ここは地味な項目ですが、広告費の使われ方を根本から左右する、運用の土台とも言える部分です。
結論から先にお伝えすると、迷ったときはフレーズ一致を主役に据え、成果の出るキーワードだけ完全一致で守り、部分一致は計測が整ってから広げる——この順番を守るだけで、無駄なクリックは目に見えて減っていきます。順を追って説明します。
マッチタイプとは、登録したキーワードに対して「どこまで広い検索で広告を表示するか」を決める設定です。大きく分けて完全一致・フレーズ一致・部分一致の3種類があり、この順で表示される検索の範囲が広くなっていきます。
| マッチタイプ | 表示される検索の範囲 | 無駄クリックの起きやすさ |
|---|---|---|
| 完全一致 | 登録語とほぼ同じ意味の検索のみ | 少ない |
| フレーズ一致 | その語の意味を含む検索 | 中くらい |
| 部分一致 | 関連すると判断された幅広い検索 | 多くなりやすい |
たとえば「税理士 顧問料」というキーワードを登録した場合、完全一致ならほぼその言葉どおりの検索にしか出ませんが、部分一致だと「税理士 なり方」「確定申告 自分で」といった、依頼につながりにくい検索にまで広告が表示されることがあります。範囲が広いほどチャンスも広がりますが、その分だけ無駄も増えるのです。
私が新しいアカウントを組むときは、まずフレーズ一致を中心に設計します。理由は、検索意図を大きく外さずに、ある程度の表示ボリュームも確保できるという、バランスの良さにあります。完全一致だけだと表示回数が伸びず機会を逃しがちですし、いきなり部分一致に頼ると無駄クリックでデータが濁ってしまうからです。
そのうえで、明確に成果が出ているキーワードは完全一致でも別途登録し、確実に広告を出し続ける「守りの枠」として使います。攻めのフレーズ一致と、守りの完全一致。この二層構造が、実務では扱いやすい形になります。
部分一致は決して悪者ではありません。うまく使えば、自分では思いつかなかった新しい検索ニーズを発見できる強力な武器になります。ただし、使うには条件があります。コンバージョン計測が正確に動いていること、そして除外キーワードと検索語句レポートの確認がセットになっていることです。
部分一致を入れたら、少なくとも週に一度は検索語句レポートを開き、関係のない検索を除外キーワードに追加していく。この手入れを続けてはじめて、部分一致は「無駄の多い設定」から「発見のある設定」へと変わります。放置したまま広げるのは、蛇口を全開にして水を流しっぱなしにするようなものだと考えてください。
マッチタイプは、一度理解してしまえば決して難しいものではありません。フレーズ一致を軸に、完全一致で成果を守り、部分一致は計測と除外をセットで慎重に広げる。この順番さえ守れば、同じ広告費でも成果は変わってきます。まずは今のアカウントを開いて、どのキーワードがどのマッチタイプになっているか、棚卸しするところから始めてみてください。意外な無駄が見つかるはずです。
株式会社アイエムシー 大塚雅智
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