
B2B商材を扱う企業の中には、夜間や土日の数値が低下することを理由に、その時間帯の広告配信を停止しているケースも少なくありません。しかし、この“広告を止める判断”は機会損失に繋がる可能性があります。
平日の日中は業務に追われ、情報収集すらままならない担当者も多く存在します。だからこそ、夜や週末にようやく腰を据えて調べ始めるというケースがあり、その行動の背景には強い課題意識や解決への本気度があります。このようなユーザーは、むしろ“質の高いユーザー”である可能性が高いのです。
「夜間や休日は問い合わせ対応ができないから止める」という判断も理解できますが、メールや資料請求など“すぐでなくてもいい問い合わせ”も意外と多く存在します。広告配信を停止してしまうと、ユーザーが問い合わせをしようとした瞬間に他社しか表示されないという状況になり、せっかくの見込み顧客を逃してしまうことになります。夜間や土日こそ、B2Bの広告が輝く時間帯であると捉え、リソースを投下すべきです。
広告運用においては、ただコンバージョン数を増やすことではなく、「狙ったユーザーがきちんとウェブサイトを訪問している状態」を作りだすための手段としてリスティング広告を活用するという視点が重要です。
成功しているアカウントは、キーワード選定やターゲティングだけでなく、広告文でも顧客を「選別」し、狙ったユーザーをウェブサイトに呼び込むようにしています。この新規ユーザーの質を高めるという考え方が、費用対効果を改善する鍵となります。
ユーザーの熱量を測るためには、単なるアクセス数ではなく、アクセス解析データが不可欠です。平均滞在時間やページビュー数、直帰率などの数値を見れば、どの訪問が本気度の高いものだったかを読み取ることが可能です。ユーザーエクスプローラー機能を使って、訪問者ごとの行動を追うのも有効な手段です。
質の高いユーザーを呼び込むための基礎は、効果的なキーワード選定にあります。広告主が自己判断で選んだキーワードや、ツールで出てくる検索ボリュームの多いキーワードは、必ずしもコンバージョンに繋がりやすい「効果的なキーワード」ではありません。
効果的なキーワードを探す確実な方法は、部分一致キーワード設定を活用した後の「検索クエリレポート」の活用です。このレポートで、実際に入札したキーワード以外で広告表示やクリックに繋がった検索語句を確認し、サービスに近いと判断した語句を新たに入札していくことが成果に繋がります。
また、キーワードは具体的な語句を用いるほど効果的であり、語数が多いロングテールキーワードを使うことで、ユーザーの悩みや求めるサービスが明確になります。これによりペルソナが明確になり、ユーザーの気持ちに合わせた伝え方を考えることができるようになります。
競合が多い市場は、その市場に「狙う価値がある」と多くの企業が判断している裏付けであり、需要が証明されている市場です。リスティング広告は比較検討の色が濃い手法であるため、競合を避けるのではなく、いかに「競合と違いを出すか」という視点を持つことが重要です。
差別化を図るための強力なアプローチの一つが、比較しやすい「数字」を前面に押し出すことです 。例えば、「導入実績1,000件以上」「満足度98%」といった具体的な定量情報は、ユーザーが信頼感を持つための重要な要素であり、ファーストビューで優位性を示すことが効果的です。
また、競合に勝てる戦略を成立させるには、運用の土台を固めることが必要です。キーワードの選定、マッチタイプの設定、除外キーワードの活用といった基礎調整に加え、クリックしたユーザーが離脱することなく目標達成へと進むための、明確な導線設計が施されたランディングページ(LP)の設計が不可欠です。
広告運用を専門家に依頼する場合、広告主は「商品やサービスの事を深く理解する事」と「未来のお客様を深く理解する事」が最も重要です。専門家はウェブ広告のプロですが、商品やお客様のプロではないからです。
広告運用においては、「時間軸」も味方につけるべきです。代理店の提案が「夜や休日は無駄」といった“ただの数値の大小”に終始している場合は要注意です。本来は、ユーザー行動のタイミングを見極め、時間帯ごとの配信設計を柔軟に提案してくれるべきです。
パフォーマンスを向上させるためには、商品やお客様のことをきちんと話ができるパートナーに依頼し、定期的なコミュニケーションを取ることが大切です。雑談ベースの打ち合わせから新たな施策が生まれることもあります。お互いが理解し合うことで、適切なターゲットへのリーチが可能となり、継続的なデータ分析(誘導の仕方やLPでの伝え方の強弱の調整)を通じて成果が出てくるのです。
B2Bリスティング広告の成功は、単なるアクセス数の増加ではなく、「新規ユーザーの質」に徹底的にこだわることにかかっています。特に夜間や週末は、情報収集に本気度の高いユーザーが動く時間帯であり、広告配信を停止することによる機会損失を防ぐべきです。運用においては、アクセス解析データを活用してユーザーの「熱量」を多角的に分析し、検索クエリレポートを通じて成果に繋がる具体的なキーワードを発掘することが重要です。また、競合市場で選ばれるためには、定量的な数字による明確な差別化と、運用パートナーとの密な連携を通じた戦略の精度向上が、獲得コストの最適化と成果の最大化に繋がります。
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