
リスティング広告を出稿する目的は、商品購入、サービスへの問い合わせ、認知拡大など様々ですが、最終的な目標は「売り上げを上げていく」ことや「事業を伸ばしていく」こと、つまり広告費以上のリターンを得ていくことにあります。
リスティング広告は、ユーザーが自ら「検索」という行動を起こした後に表示されるため、一般的に他の広告媒体よりも成約率が高いとされています。しかし、広告費を使う以上、無駄な部分をそぎ落とし、効果の高い部分に投資していくこと、すなわち費用対効果を高めていくことが非常に重要となります。
リスティング広告における無駄な部分とは、「コンバージョンなどのゴールまで到達しなかったクリック」と言い換えることができます。この無駄なクリックを排除していく上で、広告主側が理解しておくべき重要な前提があります。
広告主側で設定したキーワードで検索をしたからといって、それらの検索ユーザーが「100%お客様候補だとは限らない」ということを考える必要があります。検索をする時というのは、必ずしも”買うとき”や”お問い合わせをするとき”だけではありません。多くの場合、何かわからないことがあったときに調べものをしたり、情報収集をする時にもユーザーは検索行動を起こします。
こうした購入やお問い合わせの意思がないユーザーに対して広告が表示され、クリックされてしまっても、アクションに繋がらない無駄なクリックになる確率が高くなります。
費用対効果を高めていくためには、アクションする意思のないユーザーからのクリックを出来るだけ省いていく工夫が必要となります。具体的には、そういったユーザーには「広告を表示させない」、表示させたとしても「クリックさせない」という工夫が求められます。
アクション意図のないユーザーを排除する最初のステップは、キーワードの選定段階です。意図を反映しない広すぎるキーワードは避け、より具体的で購買意欲の高いユーザーが使用するキーワードに絞り込みます。
さらに重要なのが、除外キーワードの設定です。情報収集目的や無料の解決策を探しているユーザーが使いそうな語句(例:「無料」「意味」「方法」「とは」など)を事前に除外キーワードとして設定することで、無駄なクリックを減らすことができます。
無駄なクリックを減らし、費用対効果を改善するためには、広告文での伝え方を考えることが非常に有効です。広告文は、単に魅力を伝えるだけでなく、ウェブサイトに呼び込む「新規ユーザーの質」にこだわり、顧客を「選別」する役割を果たします。
購入やお問い合わせの意思のないユーザーに対して広告をクリックさせないためには、広告文で商品の価格帯や提供条件を明確に示し、ターゲットではないユーザーをあらかじめふるいにかけることが効果的です。これにより、「伝える広告と伝わる広告の違い」を生み出し、狙ったユーザーだけをウェブサイトに誘導するように工夫します 。
アカウントの構築や改善をおこなう際に、検索ユーザーは「アクションありきではない」といったことを考えながら進めていくと、検索ユーザーへの理解もより一層深まり、より効率的な運用ができるようになります。
もちろん、調べものをしているユーザーをすべて排除してしまうのが常に最善というわけではありません。なぜなら、情報収集や調べものから、最終的に購入やお問い合わせなどのアクションに繋がるケースもあるからです。
しかし、特に限られた広告費の中で効率良く出稿を続けていくのであれば、上記で述べたようなアクション意図のないユーザーへの対策は有効です。
成果を伸ばすためには、コンバージョン指標を整理し、必要な指標を把握することも重要です。例えば、リード獲得を目的とする場合、メルマガ登録や資料請求など、販売に直結しないコンバージョンも重要な指標となり得ます。運用戦略は、単なる購入意図の有無だけでなく、ビジネスの目標に応じて柔軟に設定されるべきです。
リスティング広告のパフォーマンスを向上させるためには、時には大胆な改善をしなければならない場合があります。これには「失敗するかもしれない」というリスクが伴いますが、実施した施策は全てデータとして残るため、全てが無駄になることはありません。費用対効果の改善を追求する上で、可能性のある新しい施策にチャレンジすることを無駄だと考えてしまうと、何も先に進まなくなってしまいます。
また、広告は表面的なターゲット設定では成果は出ないという認識を持ち、自社の商品やサービス、お客様のことを深く理解し、その知識を運用に活かしていくことが不可欠です。
リスティング広告の費用対効果を最大化するためには、まず「検索をするユーザーは必ずしもアクション前提ではない」という本質を理解することが出発点となります。この理解に基づき、コンバージョンに至らない無駄なクリックを排除するため、キーワードの選定と除外キーワードの設定を徹底し、特に広告文において顧客を選別する工夫を施すことが重要です。限られた広告費を効率良く使うためには、検索ユーザーへの理解を深め、アクション意図のないユーザーを戦略的に排除しつつ、大胆な改善をデータに基づき継続していくことが不可欠です。
「リスティング広告、何から始めればいいの?」そんな方のためのメルマガがあります!
いまさら聞けない基礎や、成果につながるコツをわかりやすくお届けしています。“手探り状態”から一歩踏み出したい方に向けた情報発信です。
メールフォームでのお問合せ
フォームはこちら