
リスティング広告を始める際、「ターゲットユーザーは誰かを深く掘り下げよう」や「競合他社を把握し調査をしっかりしよう」と言われますが、それらと同じくらい大切なのが自社自身を知ることです。
自社で扱っている商品やサービスがどういうものなのか、どういう時に使うものなのかを認識した上で、ターゲットの選定や競合調査を進めていくことが大切です。そもそも、自社の商品やサービスを把握していなければ、ターゲットユーザーが誰なのかも定まらず、ネット上での競合他社もどこなのかが曖昧になってしまいます。
「自分で扱っている商品のことなんて一番よくわかっている」と感じる方も多いと思いますが、もう一度客観的に、自社の強い部分と弱い部分はそれぞれどこなのかを見直してみるべきです。強い部分、弱い部分をしっかりと認識することで、ネット上で「誰をターゲットユーザーにすべきなのか」が明確になります。
特に競合他社が多い業界であれば尚更、ユーザーを絞り込んで競合他社との差別化を図らなければ、成果を上げることは難しくなります。この差別化を行う上で、自社の商品やサービスを知ることは欠かせません。自社の商品やサービスを知ることは客観的に見ることが難しいため、様々な人からの意見を聞いたり、今までの販売傾向を調べたりと、多角的に検討してみることが推奨されます。
競合が多い市場は、その市場に「狙う価値がある」と多くの企業が判断している裏付けであり、需要が証明されている市場だと捉えられます。この競争環境は、後発参入者にとって有利に働く側面もあります。なぜなら、先行して広告を出している競合他社の情報を、広告文やランディングページ(LP)を含めて、丸裸の状態で見ることができるからです。
出稿したいキーワードで検索し、競合の広告と比較検討することで、自社の広告での「伝え方」の勝ち目が見えてきます。まず伝え方で競合他社に肩を並べることができれば、あとは運用によって得られるデータから改善を推進する段階に進むことができます。
リスティング広告は、ユーザーが複数社を比較検討する色合いが非常に濃い手法です。競合に打ち勝つためには、比較しやすい要素である「数字」を前面に押し出すことが強力なアプローチとなります。例えば、「導入実績1,000件以上」「満足度98%」といった具体的な定量情報は、ユーザーが信頼感を持つための重要な情報設計要素であり、ファーストビューに掲載することで優位に立つことができます。
また、競合に勝てる戦略を成立させるには、運用の土台固めが必須です。キーワードの選定、マッチタイプの設定、除外キーワードの活用といった基礎調整に加え、クリックしたユーザーが離脱することなく目標達成へと進むための、明確な導線設計が施されたLPの設計が不可欠です。
現代のリスティング広告運用では、「ただ新規ユーザーを増やせばよい」という時代は終わり、「新規ユーザーの質」にこだわる運用が求められています。成功しているアカウントは、広告文でも顧客を「選別」し、狙ったユーザーをウェブサイトに呼び込むようにしています。
質の高いユーザーを呼び込むための基礎は、効果的なキーワード選定にあります。自己判断ではなく、部分一致キーワード設定を活用した後の「検索クエリレポート」を活用し、実際に入札したキーワード以外でクリックに繋がった検索語句を確認することで、成果に繋がるキーワードを発掘できます。また、語数が多いロングテールキーワードを使うことで、ペルソナが明確になり、ユーザーの気持ちに合わせた伝え方を考えることができるようになります。
今以上にパフォーマンスを上げていきたいと考えるのであれば、時には大胆な改善をしなければならない場合があります。これには「失敗するかもしれない」というリスクも伴いますが、「広告費が無駄になってしまうから」という理由で改善を躊躇していると、他社に遅れをとるだけの状況になってしまいます。大胆な改善を行った結果、多少の痛みがあったとしても、やってきたことは全てデータとして残るため、全てが無駄になるということはありません。
運用ノウハウや過去データがない企業にとって、専門家(代理店)の存在は重要です。専門家は、仮説から予測を立て、万が一想定外のことが起こってもリカバーできるノウハウを持っています。また、社長などが自ら運用を行っている企業にとって、社外の人間である専門家に運用を任せることは、「もったいないから」という理由で施策を躊躇することが少なくなり、チャレンジ精神を持った施策を実行しやすくなるというメリットがあります。
ただし、専門家にすべて任せきりにするのではなく、広告主側が持つ商品やサービス、お客様に対する深い理解を運用パートナーと共有し、定期的なコミュニケーションを通じて戦略の精度を高めていくことが、成果の最大化には不可欠です。
リスティング広告で継続的な成果を出すためには、まず自社の商品やサービス、強み・弱みを客観的に深く理解することが全ての戦略の出発点となります。その上で、後発の優位性を活かして競合の訴求を分析し、定量的な数字による明確な差別化を図る必要があります。運用においては、検索クエリレポートを活用して成果に繋がる質の高いキーワードを発掘し、データに基づいた大胆な改善とチャレンジを継続することが不可欠です。広告主の深い商品知識と運用パートナーのノウハウを統合し、密接な連携を取ることが、獲得コストの最適化と成果の最大化に繋がります。
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