
かつては「新規ユーザーを増やせばコンバージョン数が増える」というシンプルな考え方が通用した時代もありました。しかし、競合他社の増加やスマートフォンからの流入割合の増加など、様々な理由により、今は「ただ新規ユーザーを増やせばよい」という時代は終わっています。
リスティング広告で成功を収めている企業と、費用対効果が合わずに撤退する企業との違いの一つに、ウェブサイトに呼び込む「新規ユーザーの質」にこだわっているかどうかが挙げられます。
成功しているアカウントは、キーワードの選定やターゲティング設定はもちろんですが、ウェブサイトに呼び込む際の広告文でも、言い方が悪いですが「きちんと顧客を選別」してユーザーを呼び込むようにしています。
具体的には、キーワードごとに広告文を精査し、しかるべき広告文を出すことはもちろん、場合によっては時間帯や曜日によって広告文を変えて出したりもします。一貫して、「狙ったユーザーがきちんとウェブサイトを訪問している状態」を作りだすことを目指します。
このような「狙ったユーザーがきちんとウェブサイトを訪問している状態」を作り上げることができていれば、仮にコンバージョンが増えない状況であっても、原因を特定しやすくなります。来訪ユーザーの質が保証されているため、問題は「ウェブサイトに問題がある」または「提供しているサービス自体に問題がある」など、広告運用以外の部分にあると考えることができ、改善が容易になります。
ウェブサイトへの来訪の質を高め、「お客様が来訪しているんだ」と意識する事で、ウェブサイト上での接客の質も自然と上がるはずです。ただコンバージョン数を増やすためだけでなく、この「狙ったユーザーがきちんとウェブサイトを訪問している状態」を作りだすための手段としてリスティング広告を活用するという視点を持つことで、リーチの方法やメッセージの伝え方も変わってくる可能性があります。
質の高いユーザーを呼び込むためには、キーワード選定が最も重要です。広告主の自己判断やキーワードツールで検索ボリュームの多いキーワードを選ぶだけでは、お客様が実際に検索する「効果的なキーワード」を見逃すことがあります。
効果的なキーワードを探す確実な方法の一つが、部分一致キーワードの設定を利用した後の「検索クエリレポート」の活用です。このレポートでは、入札したキーワードではなく、「実際に広告表示やクリックに繋がった検索語句」を確認できます。レポートを確認し、「ああ、この語句はサービスに近い」と判断したキーワードを新たに入札していくことが、成果に繋がるキーワードを発掘する鍵となります。
キーワードは、具体的な語句を用いるほど効果的になります。語数が多いロングテールキーワードを用いることで、ユーザーの悩みや求めるサービスが明確になり、ペルソナ(想定顧客像)が明確化されます。これにより、伝えるべきメッセージも明確になり、よりユーザーの気持ちに合わせた伝え方を考えることができ、広告の効果をさらに高めることに繋がります。
リスティング広告は、ユーザーが複数の選択肢を比較検討する色合いが非常に濃い手法です。競合が多い市場は需要が証明されている市場であるため、競合を避けるのではなく、「競合とどう違いを出すか」という視点を持つことが成功への道です。
ウェブ広告運用で成果を出すためには、広告主と運用パートナー(専門家)との密接な連携が不可欠です。専門家は運用ノウハウのプロですが、広告を出す商品やサービス、そしてお客様のプロではありません。その商品やサービス、お客様のことを最もよく知っているのは、広告主の方々です。
すべてを任せきりにせず、商品やサービス、未来のお客様の事についてきちんと話ができるパートナーに依頼し、定期的なコミュニケーションを取ることが大切です。適切なターゲティングを行うには、お互いが理解し合うことが不可欠であり、そこから新たな施策が生まれることもあります。得られたデータ分析を活用し、コンバージョン指標を整理しながら、誘導の仕方やLPでの伝え方の強弱を調整するなど、継続的な改善を推進することが、成果を伸ばすためには肝要です。
リスティング広告の運用成功は、単なるクリック数の増加ではなく、「呼び込む新規ユーザーの質」を追求することにかかっています。質の高いユーザーを呼び込むことで、広告文による「顧客の選別」が可能になり、コンバージョンが増えない場合でも改善点をウェブサイトやサービスに絞りやすくなります。具体的な運用としては、自己判断を排し、検索クエリレポートから成果に繋がるロングテールキーワードを発掘することが重要です。また、競合市場で選ばれるためには、実績を示す定量的な数字による差別化と、運用パートナーとの深いターゲット理解の共有を通じた密な連携が、獲得コストの最適化と成果の最大化に繋がります。
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