自分がサービスを利用することで気がつく事

2016年1月22日 大塚　雅智

一昨年の話になりますが、私の会社が移転するのに伴い、様々なものを買い揃えました。

仕事用のデスク、パソコンをはじめ、お客様との打ち合わせスペースのテーブルやイスなど。

また、事務所の移転なので電話工事業者の手配や粗大ごみ業者の手配など、いろいろなサービスを利用しました。

基本的にはすべてネットで探し、その中から良いものを、と選んで購入したりサービスをお願いしたりしたわけですが、自分でサービスを利用してみると消費者の心理や行動がよくわかりますよね。

1つ例を挙げてみると、移転するにあたっての電話工事業者の手配は私がやったのですが、まずは検索をして、ウェブサイトを見ていきました。

ウェブサイトに記載してある料金は、所謂、概算の料金で、正確には話をして見積もりを出してもらわなければいけません。

また工事の内容、サービスについては事務所の電話を移設するだけだから・・・と最初からあまり比較検討するつもりはありませんでした。

そんな感じで、数件のウェブサイトを見ていきましたが、正直、あまり差がないというか、どこに頼んでも一緒なんじゃないか？というような気持ちになり、結局、料金は相場の範囲内で、ある程度しっかりしていそうな、検索で一番上に表示されていた業者さん、1件だけ問い合わせをし、他の業者さんに見積もりを出してもらったりせず、そのままそこで決めてしまいました。

これはあくまでも、一つの例に過ぎず、全員が全員、このような行動をとるわけではありません。

きちんと数件からお見積りをもらい、丁寧に話を聞いて総合的に判断する方もいらっしゃると思いますが、私のような感じで決めてしまう人がいるというのも事実です。

「だったらやっぱり、いつも上位に掲載しておいたほうが良いということか？」と思われるかもしれませんがそういう事を言いたいのではありません。

こうやって決めてしまう人もいるんだ、と認識した上で、施策→分析をすると、より中身のある効果測定が出来、その後の改善も進むのではないかという話です。

今回の例で言えば、私は

・金額は常識の範囲内であれば特にこだわらない
・面倒なのは嫌だ
・時間を取られたくない（とにかく早く決めたい）

というように考えていました。

こういった人はターゲットではないか、と考えたならば、上位に掲載してコンバージョン数が増えるのかどうか、コンバージョン率が上がるのかどうか確認し、もし良い結果が出たのであれば、さらに増やしていこうと、広告文に「最短5分で見積もり完了」とか「現地確認なしで見積もり」などと書いてあったらクリック率が上がり、より多くのターゲットを呼び込み、コンバージョン数を増やすことが出来るかもしれませんし、「お問い合わせから施工まで面倒なことは一切不要」という広告文なんかが目に留まったら、下位のほうでもクリックし、問い合わせをするかもしれません。

このように、ターゲットを想定しておくと良かった/悪かったという判断がスムーズになりますし、施策の方向性が明確になるので、改善のスピードも早める事が出来ますよね。

自分がサービスを利用することで気がつくことはたくさんあります。

ネットで何かサービスを探すとき、何かを買うときにはちょっとだけ意識して、「なんでここで買ったのだろう」と思い返してみると、また自社の広告にとって新たな施策が浮かぶかもしれません。

最後に余談ですが、ただ、”簡単”、”手軽”というのは、場合によっては不安になってしまう事もあります。

特に、会社や仕事で何かサービスを導入するという場合、発注者はミスをすることを最も恐れます。

今回の電話工事の例で言えば、その業者さんとは電話だけのやり取りでしたので、何かの手違いで、工事日に工事の人が来ないなんてことになったら大変ですし、実際、私はその点がすごく心配になりました。

もちろん、ある程度信用し、そういったことがなさそうな業者だったからこそ、そこに決めたわけで、ウェブサイトを見たときに、ちょっとでも不安を感じていたら、そこには決めていなかったと思います。

これはどんな業種・業界にも言えることなのですが、ネット上でのやり取りや電話だけのやり取りだけで取引をする場合、「信用」とか「信頼性」というのは売り手が思っている以上に、買い手は気にしていることですので、その辺は注意しておいたほうがよいと思います。

株式会社アイエムシー　大塚雅智