
リスティング広告の運用において、成果を最大化するために欠かせない施策の一つが、「検索クエリの定期的な確認」です。検索クエリ(実際にユーザーが検索窓に入力した語句)を分析することで、私たちは単なるデータを超え、広告が「適切な」ターゲットユーザーに届いているか、あるいはターゲットではないユーザーに無駄にクリックされていないかを確認できます。
また、この分析は、これまで気が付かなかった新しいキーワードを発掘するのにも役立ちますし、集計されたクエリの傾向から、自社の居る業界全体の検索トレンドを知ることも可能です。しかし、検索クエリの真価は、これらの表面的な改善策だけにとどまりません。
検索クエリレポートを深く読み解くことで、ターゲットユーザーが抱える願望や、具体的な検索意図が見えてきます。そもそも、ユーザーが検索を行うのは、必ず何かしらの悩みごとや抱えている問題を解決するため、その「解決手段を求めて」いるからです。
ユーザー自身はそこまで意識していないかもしれませんが、例えば、ECサイトで特定の商品を購入しようと検索する行為も、「この商品が欲しい」という欲求を満たすためです。あるいは、特定のサービスを利用しようとする背景には、そのサービスによって解消したい悩みや問題が存在すると考えることができます。
私たちが検索クエリを見る際に、「ユーザーは悩みを抱えている、問題を解決しようとしている」という視点を持つことが極めて重要です。この視点を持つことで、単にキーワードを追加するだけでなく、広告文やランディングページ(LP)における訴求の仕方など、より本質的な改善に役立てていくことができるのです。
ユーザーの願望や意図を読み解くことが重要である一方、検索クエリを見て改善策を実行する際には、一つ注意しなくてはいけない点があります。
それは、「その検索が自分のビジネス(商売)に繋がるかどうか」という点です。
ユーザーは「悩みを解決したい」「問題を解決したい」という願望を持って検索していますが、その願望が必ずしも、自社の商品購入やお問い合わせといったコンバージョンというアクションへと直結するものだとは限りません。
検索クエリの中には、明らかに情報収集や調べものをしていると読み取ることのできるものが多数含まれています。これらは、まだ購買行動の検討段階に入っておらず、コンバージョンというアクションには程遠い検索クエリである可能性が高いです。
一つの検索クエリに対して、ユーザーが購入する気があるのかないのか判断しづらいケースも存在しますが、少なくとも購入する気がないと判断できる検索クエリに対しては、積極的に除外するなどの対処をおこなう必要があります。
これにより、無駄なクリックによる広告予算の消費を防ぎ、広告の費用対効果を改善していくことが可能です。
そして、次に重要なのは、購買意欲の高そうな検索クエリに対して、より多くの予算を割り振っていくことです。これにより、コンバージョンに繋がる可能性が高い見込み客に対して集中的にアプローチが可能になります。
購買意欲の高そうな検索クエリを一覧にして眺めてみると、運用側が想定していなかった「こんなニーズがあるのか」という発見につながることがあります。
例えば、「〇〇のデメリット」といったネガティブな情報検索の裏側に、「失敗したくない」という強い購買前の不安やニーズが隠れているケースなどです。これらの深いニーズに気づくことは、広告戦略全体に大きな影響を与えます。
このような潜在的なニーズを持つユーザーに対しては、自社の商品やサービスが、具体的にどのような問題解決を提供できるのかを提案していくような訴求をしていくと、効果的です。単に商品の特徴を述べるだけでなく、「この商品を使うことで、あなたの抱える悩みがこう解決します」という未来を提示する訴求は、コンバージョン率の向上に大きく寄与するでしょう。
リスティング広告の運用改善は、データを見て終わりではありません。検索クエリを通じて、ユーザーが抱える悩み、願望、そして解決手段を求める意図を深く理解し、それに応じて広告文や予算配分を最適化していくプロセスこそが、継続的な成果へと繋がる確かな道筋となります。
「リスティング広告、何から始めればいいの?」そんな方のためのメルマガがあります!
いまさら聞けない基礎や、成果につながるコツをわかりやすくお届けしています。“手探り状態”から一歩踏み出したい方に向けた情報発信です。
メールフォームでのお問合せ
フォームはこちら