
リスティング広告を導入したものの、「全然成果が出ないな」と感じている方は少なくないでしょう。かつてリスティング広告を利用していたものの、同様の理由で撤退してしまったという方も多くいらっしゃいます。
以前はリスティング広告を導入すれば、たとえ多少クオリティが低くても、お問い合わせやお申し込みといったコンバージョンに繋がることがありました。しかし、現在では競合他社も増え、すぐにスタートしてもなかなか成果を上げられないケースも少なくありません。
成果が出ない原因は競合他社の増加だけではありません。その多くの原因の一つとして、「手を広げ過ぎている」という点が挙げられます。
リスティング広告では、広告を出稿するための入札キーワード数に、アカウントごとの上限はあるものの、特に大きな上限はありません。そのため、「たくさんの検索キーワードに対して広告を出したい」と考えれば、いくらでも設定が可能です。
しかし、このようにキーワード数を増やしてしまうと、以下のような深刻な問題が発生し、結果的に成果が出にくくなってしまいます。
手を広げた分だけ、一つ一つのキーワードに対する管理は薄くなります。効果を検証しようとする際、わずか数キーワードに対して行う場合と、数千、数万キーワードに対して行う場合とでは、一つのキーワードに対して割ける時間や労力が大きく変わってきます。
その結果、深く検証を行うことができず、ただ単に「良かった/ダメだった」といった表面的な効果測定に終始してしまい、その後の改善策に進めなくなってしまうのです。
リスティング広告では、キーワードごと(広告グループごと)に広告文を設定することが可能です。キーワード数が増えるということは、それに比例して設定すべき広告文の数も増えることを意味します。
もちろん、全てのキーワードに対して同じ広告文を設定することも可能ですが、そうしてしまうと、検索クエリと広告文の一致度が下がり、広告の効果が薄くなってしまいます。ユーザーの検索意図に合わせたパーソナライズが難しくなるため、コンバージョン率の低下に繋がりかねません。
予算を無限に使える状況は本当に稀であり、大抵の場合には上限予算が存在します。キーワードを多く設定し過ぎると、一つのキーワードに使える予算が少なくなり、その結果、効果的なキーワードへの予算配分が減ってしまう可能性があります。これにより、本来ならコンバージョンに繋がる可能性が高いキーワードでの機会を失ってしまうことにもなりかねません。
このように手を広げ過ぎることによる失敗を防ぐためには、運用をスタートする初期段階において、まずあまり手を広げず、「確実にコンバージョンが獲れるキーワード」を中心に考えて設定していくのがベターな方法だと考えられます。
広告である以上、実際にやってみなければコンバージョンが獲れるかどうかは断定できませんが、まずは「このキーワードで検索するユーザーは、確実に自社の顧客になる」と考えられるようなキーワードに絞って広告出稿を試みるべきです。
最初に入札するキーワード数は限りなく少なくても構いませんし、そのキーワードの月間検索数が本当に少ないものであっても問題ありません。重要なのは、深く検証できる環境を作ることです。
例えば、あるキーワードで月間100クリックを獲得したにもかかわらず、コンバージョンが1件も付かなかったとしましょう。少ないキーワードであれば、「なぜ100人も見込み客が来たのにコンバージョンにならないのか?」という疑問から、深く原因を探っていくことができます。
入札するキーワード数が少ないため、競合調査も比較的楽に行うことができます。競合他社の広告やウェブサイトにおける「伝え方」を調査し、そこから自社の商品やサービスの伝え方を考え直してみることも、有効な手段の一つです。
このように、少ないキーワードでリスティング広告を運用してみることで、効果測定から改善施策までのPDCAサイクルをうまく回していくことができるようになります。この作業に慣れ、コンバージョンも獲得できるようになった段階で、少しずつキーワードを追加していくのが良いでしょう。
もちろん、リスティング広告の運用においては、その戦略、目的、目標によって最適な手法は大きく変わります。今回ご紹介した「少ないキーワードで始める」という方法が、全ての場合においてベストな方法だとは限りません。
しかし、「広告費を投下している割に、なかなかコンバージョンが獲りにくいな」と感じている方は、まずはこの絞り込んだ運用方法を一度試してみてはいかがでしょうか。深く検証し、確実に成果を積み上げるための基盤を構築することが、広告運用の成功への近道となります。
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