
リスティング広告(検索連動型広告)の設定をおこなう際、ターゲットユーザーを深く考えることは基本中の基本です。しかし、そのターゲットユーザーが「検索をする状況」まで踏み込んで設定を進めていくと、より正確に、そして効果的にメッセージを届けることが可能になります。
「検索をする状況」とは、「急いで探している、緊急な状況」なのか、「出先で検索をしている」のか、「会社で業務時間中に検索をしている」のか、それとも「ちょっと落ち着いた時に検索をしている」のか、といった具体的なシーンを指します。この視点が、運用の成果を最大化するための重要な土台となります。
ターゲットユーザーが「急いで探している、緊急な状況」にある場合、その検索行動は特定のパターンを示します。例えば、鍵を無くしてしまった場合などは、非常に緊急性が高い事態です。
鍵を無くしたことに気が付くのは大抵の場合、家の前やドアの前など、出先である可能性が高く、検索はやはりスマートフォンから行われるでしょう。ユーザーは、時間的にも精神的にも精査する余裕がないため、検索結果で出てきたところを上から見ていき、自分の居場所で**今すぐ対応してくれそうなところ**を探します。帰宅時であれば、時間帯は深夜や、場合によっては朝方になっていることも考えられます。
このような状況のユーザーに対して、リスティング広告で取るべき設定は以下の通りです。
このように検索状況を考えるだけで、広告を有効に活用するための具体的な設定方法が見えてきます。
一般的な商材と比べて比較検討期間の長い商材、例えば分譲マンションなどの場合では、「ちょっと落ち着いた時に検索をしている」という状況を考えることができます。
こうしたユーザーは、平日昼間の業務時間中ではなく、平日の夜や週末など、時間に余裕がある時に色々と情報収集がてらに検索をおこないます。急いでいるわけではないけれども、良い物件があれば見に行ってみたい、という状況です。
この場合、PCへの出稿はもちろんですが、最近は家でもスマートフォンで検索する方が非常に多いため、スマートフォンへも出稿すべきです。出稿する時間帯も、**週末や夜間も継続して出稿し続ける**ことが重要です。また、年末年始などの大型連休の時も出稿するのは有効な戦略となります。
物件の伝え方としては、広告文ではざっくりと条件を伝えることでユーザーをふるいにかけます。そして、広告のリンク先ページ(LP)では、物件の魅力が伝わるように情報量を多めに掲載することが効果的です。
さらに、長期的な関係を構築し、リード(見込み客)として育成するために、有益な最新情報を受け取ってもらうための**メルマガ登録の仕組み**を作ったりといった設定も有効です。これは、成果を伸ばすためにコンバージョン指標を整理し、必要な指標(ここではメルマガ登録など)を把握することの重要性とも関連します。
ターゲットユーザーが「検索をする時の状況」を深く考えていくことは、リスティング広告をより有効に、効果的に活用するための設定方法を見つける上で不可欠です。
この状況に基づく設定は、運用の精度を高め、「新規ユーザーの質」にこだわる運用にも繋がります。適切な状況とメッセージでユーザーをウェブサイトに呼び込めれば、そのユーザーの質は高まり、無駄なクリックを減らすことができます。
また、広告文を作成する際も、ユーザーの状況を深く理解することで、「伝わる広告」を作成できます。広告は表面的なターゲット設定では成果は出ませんから、ユーザーの具体的な状況とニーズに寄り添った伝え方、そして広告文に必要な訴求軸(伝えるべき3つの要素)を組み込むことが重要です。
運用が安定した後も、広告効果が下がった時に考えるべきこととして、この「検索状況と設定」のズレがないかを検証し、データに基づいた改善を継続していく必要があります。
リスティング広告の運用において成果を最大化する鍵は、ターゲットユーザーが**「検索をする状況」**を具体的に想像し、その状況に応じて広告設定(デバイス、時間帯、広告文、LPの内容)を最適化することにあります。緊急性の高い検索には「即時性と料金」を、比較検討期間の長い検索には「情報量と継続的な接点(メルマガなど)」を重視するなど、状況に合わせた戦略的設定を行うことで、リスティング広告をより有効かつ効果的に活用できます。この深いターゲット理解に基づいた設定こそが、安定した成果と競争優位性を確立する土台となります。
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