
リスティング広告では、ユーザーが検索窓に入力したキーワードに応じて広告が表示されるため、キーワードの選び方は運用成果を左右する非常に大切な要素となります。しかし、最初から「これだ」という効果的なキーワードを見つけ出すのは困難です。本記事では、どのようにして成果に繋がりやすいキーワードを発掘し、競合に負けない運用基盤を築くかについて解説します。
リスティング広告を導入する最初の段階では、広告主の方々が「お客様はこんなキーワードで検索するだろう」と考えた語句を選んだり、Yahoo!広告やGoogle広告にあるキーワードツールを利用したりすることが多いです。
しかし、自分たちで考えたキーワードが、実際に買い手側であるお客様が検索するキーワードではないケースは多々あります。また、キーワードツールで提案されるのは、あくまで関連語や検索ボリュームの多いキーワードであり、それがリスティング広告での「効果的なキーワード」、つまりコンバージョンに繋がりやすいキーワードであるかどうかはわかりません。
広告主が本当に求めているのは、あくまでもコンバージョンに繋がりやすい効果的なキーワードです。そのため、自己判断やツール任せの選定だけでは限界があり、別の視点と実践的なデータ分析が必要となります。
効果的なキーワードを見つけていく方法として、最も確実な手法の一つが「部分一致キーワードの検索クエリレポートを活用する」ことです。
リスティング広告において、キーワードのマッチタイプを完全一致以外に設定していると、入札しているキーワード以外でも、マッチタイプに応じて様々なキーワードで広告が表示されます。例えば、「目黒区 マンション」というキーワードを部分一致で入札した場合、「目黒区 マンション 賃貸」のように前後にキーワードが入った語句や、「目黒区 不動産屋」など意味が近い語句でも表示されます。
このレポートを確認することで、入札したキーワードではなく、「実際に広告表示やクリックに繋がった検索語句」を把握することができます。レポートを分析し、「ああ、こういうキーワードは確かにサービスに近いかもしれない」と判断した語句を、新たに入札していくことが、効果的なキーワードを発掘する鍵となります。
キーワードを選定する上で、語数が多い、より具体的なキーワードを用いるほど効果的になります。具体的な語句のキーワードは、ロングテールキーワードとも呼ばれます。
上記の例で言えば、「目黒区 マンション」という2語のワードよりも、「目黒区 マンション 賃貸」という3語のワードのほうが、ユーザーの抱える悩みや求めるサービスが明確になります。すなわち、ペルソナ(想定顧客像)が明確になるのです。
ペルソナが明確になれば、伝えるべきメッセージも明確になり、よりユーザーの気持ちに合わせた伝え方を考えることができるようになります。効果的なキーワードを探し出し、そのキーワードに合わせた伝え方をそれぞれ考えることで、さらなる効果の最大化が見込めます。
キーワード選定という実践の前に、必ず立ち返るべき根本的な考え方があります。それは、「ターゲットユーザーの事をより深く理解する事」です。これは、自社の商品やサービス、そして自社自身を知ることと同義です。
コンバージョンをメルマガ登録や資料請求、無料サンプル請求など、すぐに販売しない「見込み客(リード)の獲得」に設定している場合、キーワードを幅広く選定し、広告文を工夫することでより多くのユーザーの獲得を見込めることもあります。
この場合、顕在的なニーズを持ったユーザーだけでなく、潜在的にニーズを持っているユーザーへ訴求していくような広告文が必要になります。ただし、キーワードを広げる際も、最終的な目的は商品やサービスの「販売」や「成約」であることを意識し、「最終的に買ってもらえるユーザーかどうか」という視点で選ぶことが大事です。また、あまり関係のないキーワードを入札すると、品質が低くなったり、場合によっては出稿できないことがあるため、関連性には注意が必要です。
リスティング広告における効果的なキーワード選定は、まず自社の商品とユーザーへの深い理解に立ち、ターゲットユーザーがどのような悩みやサービスを望んでいるのかを明確にすることから始まります。実践においては、自己判断やツール任せではなく、部分一致キーワードの検索クエリレポートを活用して実際にコンバージョンに繋がった検索語句を発掘し、ロングテール化を進めることが確実な方法です。これらの戦略的なキーワード選定と、それに合わせたメッセージ(広告文)の調整によって、リスティング広告の成果は最大化されていきます。
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