掲載順位別のコンバージョン率を調べる方法
2016年5月19日
リスティング広告では広告の掲載の順位について、必ずしも一番上が最も効果が高いとは言い切れませんよね。
コンバージョンには様々なタイミングがあり、上位に掲載されていた場合のほうがどの広告よりもクリックされる”確率”は高まりますので、クリックされなければコンバージョンにはならないという事から考えても、上位掲載されたほうがコンバージョンの可能性は高まると考える事も出来ます。
ですが、キーワードによっては、「自社で扱っている商品やサービスの”直接の競合他社”が同じ掲載面に全て掲載されているわけではない場合もあるため」、実際の広告掲載順位が3番目だったとしても、ターゲットユーザーからすると1番上と同じ意味となっている事もありますし、元々、競争力の高い商品であるならば、上位掲載しなくてもウェブサイトへ呼び込めればコンバージョンしやすい、というようなケースもあります。
広告の掲載順位を上げようと思ったならば、（そればかりではありませんが）キーワードの入札価格を上げる必要があり、入札価格を上げると、クリック単価も上がりやすくなりますが、広告主としては、正直な話、出来る限りクリック単価は上げたくないところです。
なので、掲載順位を上げなくても、「それよりもコンバージョン率が良い掲載順位があるならば」探しだして、その掲載順位に設定したいと思いますよね。
現在、Yahoo!プロモーション広告、Googleアドワーズの管理画面やレポート機能で、「掲載順位別のコンバージョン数」とか「掲載順位別のコンバージョン率」などを抽出するレポートはありません。
Googleアドワーズでは、管理画面内の[分割]では「上部vsその他」というもので、上部掲載された広告とその他の場所に掲載された広告とで、キーワードごとなど分割してコンバージョン数やコンバージョン率などの数値を確認する事が出来ますが、「掲載順位1位と2位の違い」など、細かな順位での変動データを取得する事が出来ません。
一応、Googleアドワーズに関しては、Googleアナリティクスでキーワードごとの掲載順位とそれぞれコンバージョン数などのデータを確認する事が出来ます。
Googleアドワーズのアカウントと連携させていることが前提ですが、[集客]→[Adwords]→[キャンペーン]→プライマリディメンションの[広告グループ]で確認したい広告グループを選択し→プライマリディメンションの[キーワード]→セカンダリディメンションの広告の中の[広告スロットの位置]を確認すると、掲載順位ごとのコンバージョン数やコンバージョン率を確認する事が出来ます。
現在、リスティング広告のキーワードごとの掲載順位別のパフォーマンスを調べる方法というのは、この方法しかありませんが、例えば、このデータを参考として、GoogleアドワーズはもちろんYahoo!プロモーション広告の改善に役立てていく事も出来ます。
ですが、GoogleアドワーズとYahoo!プロモーション広告とで、同じように広告出稿していてもコンバージョンの傾向が結構違う、なんて事も多々ある事だと思います。
Googleアドワーズでうまくいった施策がYahoo!プロモーション広告ではうまくいかないことが多いので、この掲載順位別の施策についても、Googleアドワーズと同じにすることがベストとは限りませんよね。
そういうように考えている方は、ちょっと面倒ですが、レポート機能でデータを色々と切り分けて、コンバージョンとなったクリックの掲載順位がどこだったのか、探索する方法もあります。
例えば、コンバージョンとなったキーワードの、その日のデータを時間や場所、広告文、検索クエリなどと、切り口を変えてレポートを作っていくと、「クリック数1、コンバージョン率100%」なんてデータが見つかるかもしれません。
もし見つけたなら、そのデータの掲載順位が=コンバージョンとなった掲載順位という事ですので、面倒かもしれませんがコンバージョン1件1件について調べていくと、掲載順位での傾向を計測出来ます。
コンバージョンが1日に何件も発生しているから1件1件調べるのは大変だ、という方は、やはりA/Bテストで調べていくと良いかもしれません。
日ごとに掲載順位を変えてコンバージョン数の増減やコンバージョン率の増減を調べていくと、正確な順位での計測はほぼ不可能ですが、大体の掲載順位でのコンバージョンの傾向はわかるかもしれません。
掲載順位について、「効率よくコンバージョンが取れる順位が知りたい」という方もいれば、「まぁ、目標値内で運用できていれば特に問題はない」と考える方も多いと思います。
私も、どちらかというとあまり気にしないほうですが、もしコンバージョンが多い掲載順位がわかるならば、仮説を立てるための材料も増えますので、知っておくに越したことはないのだと思います。
株式会社アイエムシー 大塚雅智
