ECサイトでリスティング広告を活用するメリットと問題点

2014年2月13日 大塚　雅智

リスティング広告は現在、様々な業種、業態で活用されている広告媒体ですが、ECサイト、ネットショップとの相性は、特に良いのではないかと思っています。

そう思う理由としては、リスティング広告の特長の一つでもある、「全ての配信結果が数値として記録されていく」というものがあるからです。

ECサイトは基本的には商品の閲覧から購入完了まで、全てウェブ上で完了しますよね。

電話でのお問い合わせが多い業種だったり、実店舗への来店を促す事を目的としたリスティング広告であったなら、正確にコンバージョンを計測していくことが難しい場合がありますが、ECサイトであれば全てがウェブ上で完結するので、より正確なデータを元に改善していく事が出来ます。

正確なデータを元に仮説を立てて改善する事が出来るので、より間違いのない改善をしていく事が出来ます。

そういった理由から、ECサイトとリスティング広告は相性が良いのではないかと思っていますが、ECサイトだからこその問題点もあります。

それは「単価の低い商品を扱っている場合、費用対効果が合わなくなる可能性がある」という点です。

リスティング広告は「広告」というくらいなので、もちろん広告費がかかってきます。課金の方法はクリック課金型なので、検索するユーザーが自社の広告をクリックするたびに広告費がかかってきます。

仮にそのクリック単価が100円で、購入率が1%であった場合、100円×100クリック=10,000円の獲得単価という事になります。

という事は、扱っている商品の利益が10,000円以上でないと、赤字になってしまいますよね。

中には商品単価が1,000円、2,000円というものもありますので、獲得単価に10,000円も使ってしまっては完全な赤字になってしまいます。

リスティング広告で売ったら売った分だけ赤字を積み重ねていってしまうという状態であれば、最初からやらないに越したことはありませんよね。

ただ、こういった場合扱っているものが、また購入していただけるような商品であったり、また関連商品を買ってもらえるという、所謂リピートが見込める商売であれば、初回の取引では多少の赤字になったとしても、その後のお付き合いで十分取り返すというように、リスティング広告はあくまでも新規顧客開拓をするためのツールとして位置付けて活用する、という事が出来ますよね。

なので、その場合は今までのリピート率であったり顧客生涯価値などを確認しながら運営していくと、ビジネスを伸ばすための運用が出来るのではないかと思います。

また別の方法として、先程の例「クリック単価100円、購入率1%=獲得単価10,000円」という部分に手を入れる方法もあります。

クリック単価を50円に設定したら同じ購入率1%であったとしても、獲得単価は5,000円になりますし、クリック単価50円で購入率2%であれば獲得単価は2,500円となります。

クリック単価は広告主側で決める事が出来るので、キーワードの入札価格を「50円」と入札していれば基本的には1クリックあたり50円以上かかることはありません。

購入率（コンバージョン率）を改善は、キーワードの精査、広告文のテストと合わせて広告のリンク先ページでの伝え方の見直しや使い勝手のよさなど手を入れることで改善していく事も可能です。

「そこまで色々と面倒だったらリスティング広告なんてやらなくてもいいや」と思っている方もいらっしゃると思いますし、もう既にリスティング広告をやっている競合他社も多いから、「今さら」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

実際に、実店舗の経営をされている方の場合、「確かに今後の事も考えると、ECサイトをはじめてみたい」と思い、始めてはみたものの、あまり売れないし運営は大変だし・・・、という事であまり機能していない場合もありますが新規顧客を獲得するためですので、そこはきちんとある程度の時間や人手を使っていくべき部分だと思います。

ECサイトであれば、お店まで通う事が出来ない遠方のお客様に対しての販路拡大が見込めますよね。

もちろん、自分が売って儲けていくんだという気持ちもあると思いますが、ものを作り、売っている方であれば、自分は「良いもの」を作り、そして売っているんだ、という想いは誰にでもあると思いますので、それを望んでいる人たちに届けてあげる事も、使命の一つなのではないかと思います。

その手段の一つとして、リスティング広告を活用されてみてはいかがでしょうか？

株式会社アイエムシー　大塚雅智